ちょっと一言

orzのあの人について語ったり語らなかったり。



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ヒカリ
私は作品の後記というのは得意ではないので、特にはアレなのですが…。

今回、書いたお話の関西弁校正をLさんにやっていただきました。
(毎度毎度ありがとう★)
書いている時も思ったのだけど、校正してもらったのを見てもね「あぁ、方言て難しい」とうなだれてしまいました。
これからもお手を煩わせますが、どうぞ宜しく。

只今、宮沢を書いております。

***

あ。一個だけ。
「4:53am」のお話ですが、あのお話を思いついて、島崎君ががばりと起きるシーンを思いついた時に自分の脳内を走った言葉は

「地獄絵図だ」

でした(苦笑)。
あさき : 島崎 : 23:59 : comments(0) : -
4:53am
固いテーブルの上で目を覚ました。
酷く、喉が渇いている。
状況を把握する前に、ほっそりとした白い手が見えた。
その事にびっくりして、身体を起こす。
不自然な、オレンジかかったファミレスの光。大きな窓から見える白みがかった世界。

「起きたのね。おはよう、」
困ったように島崎の目の前で笑ったのは、菊名だった。
「おはよう、ございます」
掠れた声で反射的に返事を返して、視線をテーブルの上に這わせると、島崎の目の前で宮沢がつっぷして寝ていた。その横に、菊名が薄い珈琲の入ったカップを所在なさそうに手で包みながら座っていた。

「俺に、挨拶は!」
声が直ぐ近くでして、びっくりする。横を見ると、中原が座っていた。
状況をやっと把握する。
昨日、珍しく山手線沿いでサークルで飲んで、終電がなくなって、そのままこのファミレスに来たのだった。それだけはかろうじて覚えてる。

「水飲め、水。自分、酒くさいなぁ」
中原が嫌そうに言った。眠っていないらしく目が充血している。
きっと菊名も眠っていない。

二人で、何を話しながら夜が明けていくのを待っていたのだろう。

すっかり氷の溶けた水を口に運びながら、携帯を取り出して時間を確認した。


午前五時、七分前。
夜が終わろうとする時間だ。


「ずっといたんスか?」
菊名に向かって、話かけた。
「だって、宮沢くんがいくら細くても、あたしじゃ運べないし、電車もないし」
菊名は小さく首をかしげた。細い髪がさらさらと肩で揺れる。
「石川と谷崎はさっさと嫁に引きずられて帰っとったけど、お前らはなぁ」
剣呑な声がする。
菊名が微かに眉を動かした。
けれど、何も言わない。肩が少しだけこわばっていた。
その姿を、酷く、窮屈で寒そうだと思った。
暖房は効きすぎるほど効いているのに。

二人は、どんな風にして、何を話しながら、夜が明けるのを待ったのだろう。

もぞもぞと宮沢が動いた。
「…うるせぇ、」
呟いた声はとても状況把握が出来ているとも思わなかった。中原が容赦なく宮沢の頭を叩いた。
「起きやがれ、」
「痛ってぇなっ」
掠れた声が飛び出す。ガバっと起きた額には、真っ赤な跡がついていた。
中原がそれを見て吹き出した。

宮沢はただでさえきつい目つきをさらにきつくして、前を睨んだ。ろくに前も見えていないのに違いない。
中原はひとしきり笑うと時間を確認した。
「そろそろ山手動くやろ、行くか」
そう言って、彼はちらりと外を見た。白んでいく世界が、何ごともなかったかのように明けていく。

深夜料金をきっちりと取られて出た、冬の朝の空気は刺すように冷たい。
宮沢が痩身を震わせて、菊名が少し不安そうな顔をした。宮沢は小さな声で「平気」とだけ短く答えている。
うっすらと白みがかっている世界を、誰が最初というわけではなくゆるゆると駅に向かって移動を始める。

何も語らない菊名の細い肩を見る。
横をゆっくりと歩く、宮沢の薄すぎる肩を見る。
少しだけ早く、二人の先をふらふらと歩く中原の背を見る。


夜が終わろうとしている。

誰の、というわけではない。

けれど、確実に言えない言葉だけが、溜まっていく。


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あさき : 島崎 : 01:34 : comments(0) : -
ピアノレッスン。
酒が飲みたい。
言い出したのは島崎だったか、石川だったか。それに竹久が便乗した。本人は気にしていなかったのだろうが、最近よく話題になっている大学傍のちょっと小洒落たレストランバーに行ったことがない、という話を少しだけ
寂しげにした。中原があそこの舗のランプのデザインが良いのだと言いだし、宮沢が見たいと言った。谷崎は件の舗の中に自分を置いてみて、しっくりくつと思い、同行の旨を伝えた。
食べ物に関する関心は揃って薄いのに、酒とデザインにだけは敏感だ。

サークル席から店に移ったのが六時。夜の営業を始めたばかりの舗の中には彼らしかいない。
創作料理といえる洒落た料理もあるのにもかかわらず、酒の他には揃ってカレーやらオムレツといったどこにでもある料理を注文し、飴色のテーブルの上には子供じみた料理ばかりが並んでいる。
最初の一杯を飲んだだけで、結構なほろ酔い状態になっている島崎がふらりと立ち上がった。入り口のところで黒光りしているグランドピアノのそばに立った。丁度、すぐそばを通った店員に声をかける。
「ピアノ、触ってもいいッスか」
「あー。ピアニストさん来るまでならいいッスよ」
噂の店に、噂のメンバーと来て若干ご機嫌な竹久の横で、ぽつんと石川が言った。
「あ。島崎君、ピアノ弾けるんだっけ? 面白そうだから行ってみよう」
失礼ともとれる言葉をさらりといって、手に持ったビールジョッキを抱えたままひょこひょことピアノに寄っていく。竹久もなんとはなしについて行く。
中原と宮沢はさっきから食事もさけもそっちのけでランプの意匠について語り合っている。石川と竹久が傍に寄る前に、島崎が運指の練習とでもいうように、ほんの2,3フレーズを弾いた。きちんと調律されたピアノを眼鏡の奥から嬉しそうに見る。
石川はそんな短いフレーズで喜んで「おぉ」と言ってビールジョッキを手放さずに拍手をした。
竹久も喜んで、「時説柄、時節柄」と言いながら有名な映画音楽をリクエストした。島崎は曲を思い出すように宙を睨むと、鍵の上に骨張った手を置く。澄んだ旋律が紡がれる。
「かっけー」と呟いて石川はビールをがぶりと呑んだ。竹久がぱちぱちと手を叩く。いつの間にか傍に来ていた谷崎に、竹久が聞く。
「谷崎さんも弾かないんスか?」
本当は竹久の方が年上なのになぜだか敬語だ。谷崎は腕組みしたまま、「俺は良い、」と言った。石川がすぐ横で、ぷ、と笑う。
「あ、弾けないんだ」
「黙れ、」
短く言い捨てて、映画曲の佳境に入った島崎にラフマニノフをリクエストした。


*出来ない、と言うのが嫌な谷崎さん。島崎君にピアノを弾いてもらいたかっただけ★
あさき : 島崎 : 23:49 : comments(0) : -
島崎、登場。
「ねぇねぇ、島崎君。それなぁに?」

この上なく子供っぽい動作で石川が真新しい機材を指す。

「石川さん、それさっき説明しましたよ」
「えー、そうだっけ? で、何?」

石川が悪びれもせずに言うと、島崎は癖のある髪を二,三度引っ張って、眼鏡の奥でくしゃりと笑った。

「えーっと、これはですねぇ、」

落ち着いた声で、けれど、しっかりとした熱意のある声でゆっくりと説明を繰り返した。


***

さぁ、島崎君の登場です。島崎君が誰かはきっとLさんが書いてくれるはず!(って書いてたね)。
島崎君、良い物件ですよ。おすすめ。
あさき : 島崎 : 23:39 : comments(0) : -
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